Balade dans l'Art Roman en France

●マコン MACON 1 Mâcon 1
マコン  Mâcon 1
魅力的なロマネスクの教会堂が点在するソーヌ・エ・ロワールの中心となる街です。ソーヌ川の岸辺、ブルゴーニュ・ワインの一大生産地でもあるマコネ地区の中心ともなる街で、郊外にはブドウ畑が広がり、ワイナリー巡りをする拠点としても最適です。マコンの街は、カエサルの「ガリア戦記」の中で「Matisco」、「Matiscone」の名前で初めて歴史に登場します。

コンテンツ Contenus

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カテドラル・サン・ヴァンソン Cathédrale Saint-Vincent de Mâcon

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エグリーズ・サン・クレマン Eglise Saint-Clément de Mâcon

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ミュゼ・デ・ズュルスュリヌ Musée des Ursulines de Mâcon

参考 Référencesとリンク Liens

アクセス Accès



カテドラル・サン・ヴァンソン
Cathédrale Saint-Vincent de Mâcon

大聖堂の建つ場所には、元来ローマの神殿があり、4世紀には既に祈祷所のようなものが存在していたようです。5世紀にはキリスト教の教会堂となりました。
6世紀にはカテドラルに建替えられました。この時の建物には、回廊と洗礼堂が付属していたようです。543年にサン・ヴァンソンの聖遺物が齎されたことを契機に、サン・ヴァンソン大聖堂となりました。しかし残念ながらこの時代の建物は残っていません。

その後、幾度もの大火による破壊、修復・再建工事計画の頓挫を経て、ついに現存のロマネスクの教会堂が誕生します。工事は980-1030年頃まで行われました。この時、身廊の天井には石造のヴォールトが架けられ、広大なクリプトもあったようです。ナルテックスは1097-1120年の間に付け足され、教会堂の南側には回廊がありました。
教会堂は1240年頃、今度はゴシックのスタイルでの修復工事が始まります。
「フランス歴史的記念物(Monuments Historiques/MH)」に登録されています。

La cathédrale Saint-Vincent de Mâcon  est classée au titre des monuments historiques (MH).

現在、教会堂の大半は消失してしまっていますが、マコンの街のシンボリックな建物のひとつです。19世紀初めに建てられたエグリーズ・サン・ヴァンソン Eglise Saint-Vincentと区別するため、このカテドラルはヴュー・サン・ヴァンソンVieux-Saint-Vincentとも呼ばれます。

■Extérieur : façade "massif occidental"

中世後、例に漏れずこの教会堂も宗教戦争時の憂き目に遭います。17世紀初めに修復・再建されますが、教会堂の建つ沖積土の脆弱性から、建物は崩壊の危険があることを理由に、18世紀末より、ファサードとナルテックスを残して、ついに破壊作業が始まります。19世紀半ばには大凡現在の姿となりました。

マシフ・オクシデンタルと呼ばれるスタイルのファサードは、ロマネスクの教会堂の中でも、最も古い時期に建てられたもののひとつです。ファサードは1020-1030年に、ロンバルディア風のロマネスク・スタイルで建てられました。これはクリュニーUトゥルニュのサン・フィリベール修道院教会 Abbaye Saint-Philibert de Tournusと同時代のものです。


Massif occidental

サン・ヴァンソン大聖堂のファサードのスタイルは、マシフ・オクシデンタルと呼ばれます。これは、初期ロマネスク建築の教会堂にみられるスタイルのひとつです。構造として、ファサードが西側に位置し、双塔が聳え、入り口は張り出し、更に入り口上階に礼拝堂等のスペースがあること等を特徴とします。
尚、このマシフ・オクシデンタルのタイプのファサードを構える教会堂としては、フランスではジュミエージュのサン・ピエール修道院教会 Abbaye Saint-Pierre de Jumièges、トゥルニュのサン・フィリベール修道院教会 Abbaye Saint-Philibert de Tournusが挙げられます。



Portail


入り口は15世紀末のゴシック・フランボワイヤン様式です。

Deux tours

ファサードの北と南側に、高さが異なる八角形の塔がそれぞれ聳えます。土台なる部分は11世紀前半に建てられたものです。
14・15世紀に2つの塔は更に高くされました。このため、上層はゴシック様式になっています。ガーゴイルの装飾があります。


Chapelle Sainte-Marie-de-la-Porte

2つの塔の間、ポーチの上に礼拝堂があります。中は横断ヴォールトで覆われているそうです。


Fronton triangulaire

三角形のペディメントは、1857年に付け足されました。


■Extérieur : sculptures




Base de colonne

Flanc nord : bande lombarde

ロンバルディア帯の装飾が見られます。縦方向に高く伸びているのが特徴的です。



ゴシック期の教会堂は、全長74メートル(身廊と後陣で56メートル)、幅30-32メートルあったそうです。身廊の天井の高さは24.70メートル(側廊は高さ12.30メートル)、トランセプトがあるラテン十字プランの、三廊式教会堂だったそうです。この現在残されているナルテックスとファサードから、いかに巨大な建造物だったか、想像するに難くありません。

ちなみに教会堂の後陣は平坦で、トランセプトには鐘楼はなく、祭室が幾つも付属していたそうです。

身廊の天井にオジーヴ・ヴォールトが架けられていたことがわかります。

Vue de la rue de Strasbourg
ナルテックスから身廊への入り口の部分は現在ガラス張りになっています。初めて見た時は、相当の違和感を覚えました。
身廊の名残が見えます。アーチは尖頭型で、ゴシックの様相です。


■Intérieur : narthex "musée lapidaire"

ナルテックスは現在Musée lapidaireになっています。諸々の彫刻や石棺等が展示されています。教会堂の模型もあります。

Narthex

ナルテックスは1097-1120年の間に付け加えられました。内部はロマネスクとゴシックの要素が混在しています。
ナルテックスには尖頭型の二重アーチで隔てられた側廊があります。天井は、中央部がオジーヴ・ヴォールト、側廊は交差ヴォールトで覆われています。


Tympan du portail "le Jugement Dernier"

タンパンは1110-1120年頃制作されました。全体としてのテーマは「最後の審判」です。クリュニー、ブリオネ、ミディ地方の影響が見られ、特に、アヴナAvenasのノートル・ダム教会 Eglise Notre-Dame-de-l'Assomption d'Avenasにある主祭壇の彫刻と手が酷似しているとされます。17世紀以降石膏の下に埋もれていましたが、19世紀の修復作業時に発見されました。このタンパンはブルゴーニュにおいてより古く、より大きなロマネスク時代のタンパンのひとつです。タンパンの2層目より上部がより早い時代に制作されたと考えられています。アーキヴォールトには植物モティーフが彫られています。

Au centre en haut, il y a la mandorle, entourée de la Vierge, de saint Jean, de deux anges, et de deux séraphins.  La mandorle est vide (le Christ est détruit), sur laquelle on a trouvé  la main de Dieu (mutilée).

上部中央、アーモンド型のマンドルラの周りに、聖母マリア、サン・ジャン、更に天使達がいます。マンドルラの中は現在空ですが、かつてキリスト像がありました。マンドルラの上には神の手があったとされます。

1er registre : à  gauche, les élus accueillis par le Christ ou saint Pierre dans la Jélusalem céleste.  A droite, les damnés avec le diable et l'archange Michael.

1層目(最下段)は、左側にはキリスト又はサン・ピエールに迎え入れられる「神に選ばれし者」。右側には地獄に落とされた人々が表現され、中央で悪魔と大天使ミカエルが相まみえています。

2ème registre : la Résurrection.  Les morts sortent de leur tombeaux.  3ème registre : les vieillards de l'Apocalypse.  Des personnages au centre, pourraient être les apôtres.

2層目は「死者の復活」で、死者達が石棺から出てきています。3層目は、「ヨハネの黙示録」に登場する長老達です。中央部分は、12使徒とも考えられます。

4ème et 5ème registres : l'Ascension.  Pour le 4ème registre, on trouve cinq apôtres de chaque côté.  Judas n'est pas représenté.  Quant au 5ème registre, le Paradis en raison des personnages sur des nuages.

マンドルラがある4・5層目のテーマは「キリスト昇天」です。4層目には、左右に5人ずつ使徒が並びます。ユダの姿はありません。5層目は、雲の上に人物がいることから、天国とされます。

Sur le chapiteau gauche du portail, un archange portant un bouclier refoule le diable.  A droite, deux chapiteaux evoquent la Tentation du  Christ.

入り口左側の柱頭には、盾を持った大天使が悪魔を撃退しているシーンが彫られています。右側には、悪魔によるキリストへの「荒野の誘惑」が表現されていると考えられています。