Balade dans l'Art Roman en France

●サン・サヴァン ST-SAVIN Saint-Savin-sur-Gartempe
サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ  Saint-Savin-sur-Gartempe
街の名は、マケドニア出身の聖人サン・サヴァン(伝承では5世紀にこの地で殉教)に由来します。ガルタンプ川が街の中をゆったりと横断し、ここサン・サヴァンから南に位置するモンモリヨンまで、中世からのフレスコ画を残す教会が点在する「ヴァレ・ド・フレスク Vallé de Fresque」が広がります。国際壁画研究センターがあります。

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アベイ・サン・サヴァン・エ・サン・シプリアン Abbaye Saint-Savin-et-Saint-Cyprien de Saint-Savin-sur-Gartempe

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その他の街の見どころ Autres points  à voir

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アベイ・サン・サヴァン・エ・サン・シプリアン
Abbaye Saint-Savin-et-Saint-Cyprien de Saint-Savin-sur-Gartempe

西洋美術史の大家・吉川逸治氏がこの地の修道院壁画の研究に大きく貢献しました。
周歩廊がついた、ラテン十字の三廊式プランをもつ教会堂です。
伝説では、シャルルマーニュがこの修道院を建てたとされ、9世紀にはノルマン人の侵略から逃れてきた修道士達を受け容れました。11世紀に修道院教会は建て直され、現存の形になりました。
サン・サヴァンのサン・サヴァン・エ・サン・シプリアン修道院教会は、「サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会」として、ユネスコ世界遺産に登録されています。

L'abbaye Saint-Savin-et-Saint-Cyprien de Saint-Savin-sur-Gartemp est inscrite sur la liste du patrimoine mondial de l'UNESCO au titre de l'abbaye de Saint-Savin-sur Gartempe


またこのサン・サヴァンの修道院教会は、フランス歴史的記念物(Monuments Historiques/MH)に指定されています。

L'abbaye Saint-Savin-et-Saint-Cyprien de Saint-Savin-sur-Gartemp est classée au titre des monuments historiques (MH).

ポワトゥ・シャラント地域圏におけるロマネスク・フレスコ画の総本山は、この修道院教会といっても過言ではないでしょう。細身の身廊は洗練された印象です。


Flanc sud de l'église abbatiale

シャルルマーニュ治世下、9世紀初めに創立されました。11世紀に建築と装飾が施され、1040年から1090年の間に現存の教会堂が建設され、この頃世界的に有名な壁画が施されました。13世紀に教会堂の周囲に修道院の付属施設が建てられました。

この修道院教会は、天井画のみでなく、建築の点でもロマネスクの時代に建てられた教会堂としての特徴をよく残しています。
尚、ファサードの鐘楼は19世紀に改修されたものです。


■Intérieur
Nef

外観の印象そのままに、ほっそりとした身廊です。
天井には円筒ヴォールトが架けられており、フレスコ画が描かれている身廊の天井の面積は約412uもあります。

縦の造りはとてもシンプルです。大アーケードの上からヴォールトが始まります。身廊には開口部がなく、側廊からの採光のみですが、教会堂内は明るいです。

Fresque de la colonne

ロマネスクの時代に円柱に描かれたフレスコ画で、様々な動物の姿が見えます。この他の柱にはそれぞれ異なるマーブル模様等が描かれていますが、そちらは19世紀の修復工事の際に施されたペイントです。

Nef occidentale

身廊では、東西で天井のヴォールトの様子が異なります。入り口側にあたる身廊西側では、ヴォールトに半円筒アーチが1ベイ毎に架けられています。一方、フレスコ画が描かれている東側には、絵を遮るようなアーチは見当たりません。

写真下の入り口はナルテックスに続きます。上部開口部からトリビューンが覗き見えます。
このトリビューンも、全面がフレスコ画で埋め尽くされていましたが、残念ながら多くの部分が消えてしまっています。





Fresque : la Vierge  à l'enfant


12世紀に制作されたフレスコ画です。マンドルラに包まれた聖母マリアが幼子イエスを抱いています。マンドルラのフリル、朱中心の色調、一見したところ全体としては女性的で柔和な印象ですが、聖母マリアはこちらをじっくり見据えています。


Bas-côté sud


身廊の半円筒ヴォールトに対し、側廊には交差ヴォールトが架けられています。プロポーションとして、高さもかなりあります。このように身廊の天井に迫る程側廊の天井が高いという点は、ポワトゥ地域におけるロマネスク建築の特徴のひとつです





Croisillon nord
Croisillon sud


翼廊からは、司教オドンの石棺が見つかっています。
南翼廊の最端の開口部は埋められています。



Transept / Croisée

トランセプト交差部の上に、四角形のプランの鐘楼が聳えます。





■Fresques  à la nef


この修道院教会の天井画は、フレスコ(漆喰の上に水又は石灰水で溶いた顔料で描く技法)とデトランプ(水溶性固着剤を用いた塗料で、多く白色顔料と混ぜて使われる)の中間の技法で描かれています。

身廊には、旧約聖書の「創世記 (la Genèse)」と「出エジプト記 (l'Exode)」にあるエピソードが描かれていて、ここのフレスコ画は1100年頃制作されました。
天井壁画は6つのテーマに分けられます。
---「天地創造」と「転落」 La Création et la Chute
---「カインとアベル」 Caïn et Abel
---「ノア」 Noé
---「アブラハム」 Abraham
---「ヨセフ」 Joseph
---「モーセ」 Moïse

サン・サヴァンのフレスコ画の特徴のひとつとして、色のヴァリエーションが少ない中で、色のコントラストを巧みに利用して表現していることが挙げられます。(例えば、人物や馬等の動物が折重なるようにしている場合は、衣服や毛並みの色を変えることで、輪郭を際立たせています。)

サン・サヴァンのフレスコ画は、フランスで現存するロマネスク壁画で最も大きなものです。僅か3・4年の間で仕上げられたとされます。



La Création et la Chute

Eve filant (à gauche : Adam travaille la terre)

このテーマについては損壊部分が多く、はっきりと目で捕らえることができる部分は少ないです。


■Caïn et Abel
Offrandes d'Abel et de Caïn
Caïn tue Abel (à gauche ) et Dieu maudit Caïn

Enlèvement d'Enoch

■Noé
Dieu donne ses instructions à Noé
L'arche de Noé et lâcher du corbeau

Sortie de l'arche
Sacrifice de Noé

Vendange de Noé
Noé buvant son vin (à gauche ), et le corbeau et le renard

L'ivresse de Noé
Arbre et animaux (à gauche ) et  Noé maudit Canaan

La construction de la tour de Babel

Abraham
Dieu donne ses instructions à Abraham (à gauche ), et Personnage grimpant dans un arbre
Séparation d'Abraham et de Lot

Lot emmné en prison
Isaac bénit Jacob

■Joseph
Joseph vendu par les Madianites à Putiphar (à gauche ) et Joseph vendu par ses frères

Joseph en prison
Joseph calomnié par la femme de Putiiphar (à gauche ) et Joseph et la femme de Putiphar

Joseph interprète les songes de Pharaon
Pharaon passant son anneau au doigt de Joseph

Joseph sur le char de Pharaon

Moïse
Le passage de la Mer Rouge,  l'ange de Dieu conduisant les armées d'Israël

Colonne de feu (à gauche ) et Moïse conduisant son peuple
La colonne de nuée (à gauche )et Moïse recevant les Tables de la loi





■Intérieur : choeur

内陣は開口部から直接光が入るので明るいです。内陣の天井には、la Vierge à l'Enfantのフレスコ画があったと推測されています。ちなみに、内陣やトランセプトに新約聖書をテーマとしたフレスコ画が描かれていた可能性も指摘されていますが、確証はありません。


内陣下に広がるクリプトは現在非公開ですが、ここはサン・サヴァン saint Savinとサン・シプリアン saint Cyprienを描いたフレスコ画で溢れています。またクリプトには、この二人の聖人の聖遺物が納められています。

■Intérieur : chapiteaux au choeur
柱頭には、Lions affrontésとFeuilles d'Acantheの彫刻が、ほぼ交互に配されています。

■Intérieur : fresques aux chapellles rayonnates
周歩廊には5つの放射状祭室がついており、そこにもフレスコ画が溢れています。




■Intérieur : chapiteaux






■Intérieur : tour-porche / narthex

ファサード正面に聳える鐘楼がついたポーチの下の階は、玄関廊になっています。カロリング朝時代に建てられたこのナルテックスは、身廊とは少し軸を南にずれるようにして続きます。天井には半円筒ヴォールトが架けられています。かつてここの壁は全面フレスコ画で覆われていました。

Tympan : Christ en gloire
「栄光のキリスト」。キリストの祝福のポーズの表現は、ビザンティン風です。傍らで天使が十字架を抱えています。

ヴォールトにも、絵が描かれています。(写真上側にキリストのタンパン)
内側には天使と使徒、外側にはヨハネの黙示録の場面が描かれています。


Anges
歓喜に溢れた天使達が踊っているかのようです。




Apôtres


次の段には、黙示録の6つの場面が描かれています。
尚、画面左端に見えるメダイヨンには、ゾディアックのシンボルが描かれています。


La femme et le dragon
La cinquième trompette : Le Fléau des sauterelles

La sixième trompette : La libération des quatre anges
La personification de l'Eglise terres





 参考 Références

♦ABBAYE DE SAINT-SAVIN SUR-GARTEMPE  Emmanuelle Jeannin  EPCC Abbaye de Saint-Savin-sur-Gartempe et Vallée desFresques

♦La valée des fresques  Robert Favreau

♦L'Abécédaire de l'art roman en Poitou-Charente  Rémy Prin  Gesteédition

※ウェブサイトについては、「関連・参考リンク」のページを参照して下さい。 Sur les sites d'internet, référez-vous la page "Liens".

 リンク Liens

Office de tourisme de Saint-Savin http://saintsavin.com/

Mairie de Saint-Savin http://www.saint-savin.fr/

Abbaye de Saint-Savin-sur-Gartempe et Vallée des Fresques http://www.abbaye-saint-savin.fr/



 その他の街の見どころ Autres points  à voir

♦Pont du 11e siècle sur la Gartempe



 アクセス Accès

♦SNCFポワティエ・バス・ターミナル Poitiers Gare routièreから、サン・サヴァン Saint-Savinまで、Autocarで約45分。

サン・サヴァン・シュル・ガルタンプの街は、歩いてまわることができます。